義経ゆかりの羽黒神社で社殿と大けやきを見て来た【長岡市小貫】
義経をたずねて羽黒神社へ

栃尾からほど近い、小貫という地にある羽黒山に、羽黒神社があります。
ここは、私が大好きだった大河ドラマ「義経」で毎回終わりに義経紀行という義経にゆかりのある地が紹介されるコーナーで取り上げられた場所です。
油揚げを食べに行ったついでと言ってはなんですが、羽黒神社に行って来ました。
長い石段を登り、社殿の扉を開けて中まで見てきたのでレポートします!
羽黒神社とは
義経にかかわる人物が建てた神社です。ひとことで言えば。
源義経の家臣に、佐藤継信・忠信という兄弟がいました。
その兄弟は戦の中で、義経を守るために命を落とします。
2人の母親は乙和御前という方。
奥州平泉の藤原秀衡の妹で、藤原氏の家臣である佐藤基治に嫁いでいました。
乙和御前は息子2人のそれを知り、息子たちを思って出家して妙照禅尼となり、建立したと言われる神社が、この羽黒神社です。
自分の息子が2人とも戦で亡くなってしまった母親の気持ちはいかに。残りの人生をどんな気持ちで過ごしたのでしょう。
この羽黒神社、江戸の末期に火事にあったのだそうで、現在の社殿はその後に建てられたのだそう。
つまり最初はなかったという事ですね。
当初は瑞雲庵という小さい庵に十一面観音像を安置したそうな。
ちなみに瑞雲寺というお寺が近くにあります。
後に羽黒三柱神社として独立。のちに改名して現在の羽黒神社になったと言わているそうです。
乙和御前も自分が建立した庵が、何百年もあとまで引き継がれて現在の姿になっている事を知ったらどんな気持ちでしょう。
息子たちを戦で失った気持ちが少しはやわらぐのでしょうか。
そんなことを考えながら、社殿の前で鎌倉時代に思いを馳せます。
羽黒神社の見所は
羽黒神社のみどころまずは簡単にご紹介します。詳しくは下で写真と共に回ったコースをご紹介します。
社殿
羽黒神社は羽黒山という山の上に存在します。山と言っても羽黒神社のある場所まではそんなに高くないです。
でも実際登ると結構疲れます(汗)。
石段を登り終えたら、ひとまず軽く休憩。
まずは社殿の正面外観、木彫りの龍や象が見事です。
残念ながらアップの写真を撮り忘れましたが、冒頭の写真の屋根のすぐ下のごちゃごちゃっとした辺りに、細かく掘られた迫力のある龍などが存在します。
伝説では、ある老婆が夜中に血の池に参った時、彫刻の龍が動いて社殿から血の池に水を飲みに来ていたという話です。
それ以来、子供たちには何か悪さをすると龍が来ると言ってしつけに使われたんだとか。
本当だったら怖すぎです。
大けやき
その名の通り大きなけやきの木です。
樹齢推定300年。
木のたもとには道祖神が数体祀られており、火事の時に出来たと言われる洞穴で祈ると耳の病気が治るという伝説があったようです。
長岡市の準指定天然記念物だそうです。
かしの木
大けやきとともに長岡市の準指定天然記念物。
かしの木の植生限界値とされているそうなので、これより北にはかしの木があまり存在しないという事でしょうか。
血の池
羽黒神社の境内には血の池と呼ばれる池があります。
先ほど述べた社殿の彫刻の龍が水を飲みに来たという伝説の池です。
外山脩造の碑
外山脩造はこの小貫出身の名士。長岡藩士。
初代・日本銀行大阪支店長、横浜正金銀行取締役を経て、アサヒビールの前身、大阪麦酒会社を設立したのだそう。
阪神タイガース生みの親とも言われているそうです。
羽黒神社に駐車場は?
駐車場として用意されたところはないけど、入り口前の敷地は広くなっており、私はそこに車を停めて、1時間くらい羽黒神社を散策してました。
本来停めて良いスペースかは不明です。
観光サイトなどを見ると一応駐車場は無い事になっています。
いざ羽黒神社へ
では羽黒神社へ実際に行き、石段を登って社殿などを見て来た様子をご紹介します。
羽黒神社の場所は
まずは羽黒神社の場所。
わかりやすいとは言えない場所。
近くにある目印は瑞雲寺くらい。
と言ってもわかりやすい目印ではないので、やはりナビを頼りに行くのがおすすめです。
道路を走っていると羽黒神社と書いてあるのでわかると思います。

ここから羽黒神社の始まりです。
羽黒神社を写真とともにご紹介

羽黒神社に入っていきます。
この辺りの端っこに私は車を停めました。

では鳥居の方へ。

鳥居直前の水汲み場のようなところ。

一つ目の鳥居には羽黒山と書いてあります。まだここは神社ではなく、羽黒山の入り口なのかな。いや、鳥居があるんだからここも神社の一部か。

源義経の家臣、佐藤継信・忠信兄弟の母、乙和御前が亡くなった二人を弔うために羽黒神社のもとを作ったという話が。

その横には荘厳な雰囲気の石碑が。

そして2つ目の鳥居をくぐって。

石段を登る。地味にきつい。

ここを登り切れば社殿が登場。
左右に狛犬、屋根の下の部分に木彫りの装飾が施されています。


この社殿に近づくとこんな記載が。
ふむふむ、この扉を開けて中を見なさいと・・・え!?寺社仏閣に行って閉まっている扉を開けるだなんて!
そんな大それたことした事ないんですけど(笑)
ここに来た他の人たちはどうしてるんだろう。
大多数が中までは見ないで帰るんじゃないか。
迷ったが、そうしてくださいと書いてあるのだからバチは当たるまい。
初体験だが扉を開けて中を見てみる事に。

まずは閂(かんぬき)を取ります。

はずしました。右横に立てかけておきます。

いざ開けて中へ。
う、うす暗い!!

かなり薄暗い、というか結構暗い。ちょっと怖い。Dont cry私。
写真で見るとそうでもないですが、実際一人で入ると非日常な怖さがあります。

まずは急いでお賽銭を。
私に災いを振りかけないでくださいと祈りながら。
このタイミングで鐘が鳴ります。
私は凄くびっくりして少し飛び跳ねました(汗)。
人って本当に驚くとマンガみたいに飛び跳ねるんですね! 知ってましたか?

部屋の左右には何かが描かれています。
源平合戦の時の様子でしょうか。
暗くてよく見えない。

多分、佐藤継信と忠信がそれぞれ倒れた時を描いた絵画だと思います。

部屋の中央正面にはさらに奥があるのですが、そこまで行く勇気がでませんでした(汗)。
そもそもそこは入って良い場所ではないのかも。

火事が怖いのではじめから火をつけませんでした。


北斎画奉納額と書いてあります。
もしかして本物の葛飾北斎?!
もしこれが本物ならば、この羽黒神社の伝説は信憑性が高い気がします。
でも本物の北斎の絵画が美術館に収蔵されない筈がないか。

そんなこんなで社殿を出ます。扉を閉めて。

ちゃんと閂(かんぬき)をはめます。

次は、この扉の右方向へ進みます。

角を左に曲がった図。

階段を降ります。

するとこんな感じになっていて。

右を向くと大けやきがあります。

大けやきを説明した石碑。

すぐそばには血の池伝説の石碑も。

辺りを見回しても、血の池らしきものは全くありません。うっそうと茂る森林ばかりで、崖になっているらしきところもあります。
道は一本だけなので、とりあえずその道を進んでみます。

進んで行くと民家が出現。

この辺りに右方向へ行く道が見えてきます。
もしかしたらこの先に血の池があるのかな?と思ったのですが、歩いて行くにはかなり道のりがありそうで。
車に戻って行くにしても、すれ違いが出来ない位の幅だし。今日は時間がないので断念。

元の道をそのまま行くと、現実味をおびた風景に戻ってきました。

もう道路が見えます。

道路に到達。
この道を行けば羽黒神社の入り口のところに戻れそう。

やっぱり戻りました。灯篭が見えます。正面ではなく横から入る感じ。
全部で1時間くらいの道のりだったと思います。
今回は寄らなかったの
ですが、社殿の横には獅子頭が収められている小さな建造物があるらしいです。
これも羽黒神社の文化財だそう。
一人で行くのは雰囲気的にちょっと怖いので、よほどのマニアでもない限りは誰かと一緒に観光で行きましょう♪
羽黒神社に行く時の注意点
実際行ってみて気づいた注意点があるので記しておきます。
- 歩きやすい靴で
- 長袖長ズボンで虫から完全防備
- 雨の日はすべらないように
- 暗くならない内に行く
まず、山道なので歩きやすい靴で行きましょう。
ヒールなんかで行ったらもう大変。石段はあるし下りは坂道だし。
そして山の中なので虫が出ます。長袖長ズボンで肌を完全に覆い、なんなら虫よけスプレーをしていった方が良いと思います。
雨の日は石段や砂地が滑りやすくなるので転ばないように注意が必要です。
そして、初夏の夕方でも木々に囲まれて少し日の光が遮られるので、なるべく明るい内に行くのが良いと思います。社殿の中も見づらくなりますしね。
羽黒神社の詳細情報
- 住所:新潟県長岡市小貫
- 問い合わせ先:栃尾観光協会
- TEL:0258-51-1195
羽黒神社の個人的な感想
義経好きに限らず、羽黒神社は山道や多少の虫に耐えながらも行く価値はあると思います。
私は春に行きましたが、虫も特に感じずに済みました。しかし、普通に山なので真夏はさすがに虫が多いと思います。
最初に何段もの階段を登ってたどり着く社殿。その社殿の外側の龍や象の彫刻(写真がなくても申し訳ない)、社殿の扉を自分で開けて中に入り、昼間でも薄暗い幽玄な雰囲気を味わうなど、なかなか良い雰囲気出してます。
石段を登って社殿の扉を開けて入った辺りから、日常と離れた異空間にいるような気分でした。下山して民家が見えてきた頃に現実に戻ったんだ、という感覚を味わいましたよ。
栃尾は油揚げも一度はお店で本場の味を食べてみて欲しいし、いくつかまとめて周ってくると良いと日帰り旅行コースになると思います。
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