新潟の方言をクイズ形式で解説。地元民が気づいてない意外な新潟弁も

今回は様々な新潟の方言をクイズ形式でご紹介したいと思います。
代表的なものから、これ方言だったの?という意外なものまで幾つか挙げてみるので、これをご覧頂ければ新潟に縁もゆかりもない方でも新潟弁の予習はバッチリ。
細かく言えば各地方別に方言が存在しますが、ここでご紹介するのは新潟市エリアやその周辺でつかわれてるであろう難易度の低いものにしぼります。
僕の周りにいる人、両親や祖父・祖母、親戚の影響が大きい可能性はあり。多少の偏り、もしくはそれを超えてある程度以上の偏り可能性もありますが、どうぞご了承を。
クイズと言っても全問正解できるくらい簡単です。
え、簡単じゃない? あんたら何言ってるかわかんないって?
いえいえ、ほぼ標準語ですからそんな訳ないですよ。
では行ってみましょう!
代表的な新潟弁

ネットやテレビでもよく取り上げられるような代表的な新潟弁から挙げてみたいと思います。
中には県外の方が聞いても意味が想像つくものもあると思います。つかないかな(汗)。
なじらね
「この前たのんでおいたあの件、なじら?」
「今夜一杯なじらね?」:飲みに誘うシーン
「お父さんなじらね?」:体調のすぐれない父親のことを心配
こんなシーンで使われるのですが、これはどんな意味でしょう?
【答え】:「どう?」「どんな?」「おかげんいかが?」「これいかが?」
このような意味でつかわれる言葉です。
テレビやネットなどいわゆるメディアによく登場したことで「新潟弁」でもっとも有名じゃないかと思われる言葉です。
いっぺ、いっぺこと
またいっぺことあんねっけ。
これは想像がつきやすいと思いますが、量が多いという意味で使われる言葉です。
【答え】:とても、かなりの
「たくさん」という意味です。
おそらく「いっぱい」がなまったものでしょう。
西区にあるJAの販売所の「いっぺこ~と」はこの言葉と、「中庭・陳列場・競技場」などの広い場所を表す英語の「court(コート)」を合わせて付けた名前だそうです。
ばか・ばっか
「これまたばかいっぺことくれたんだね。」
【答え】:とても、かなり
これも量が多いときに用いられ、「たくさん」とか「多い」をより強める副詞的な言葉です。
標準語の「ばかみたいに」に近い気もします。「ばかみたいにたくさんあるんだよ」などと、ちょっと批判的な雰囲気を含めて言ったりしますよね。
ただし、新潟弁の「ばか」にはネガティブなニュアンスはなく、単純に誇張するために用いられる言葉です。
もちろん、本来の意味での「バカ」という言葉も普通に使われます。
しかも
「この前もらった分だけでもしかもあったんだわ」
標準語の「しかも」と意味が異なります。
【答え】:結構、わりと
これも量が多いことを表す言葉ですが、少し控えめな表現というか、そこそこ多い量を表す時に使われてると思います。
先ほどの「いっぺこと」はハッキリ多いことを表すのに対し、「しかも」は「わりと多い」「思ったより多かった」というニュアンスで使われます。
かんべ
「この前、遅れても行くって言ってたのに、結局顔だせなくてかんべね!」
【答え】すまない、ごめん
ちょっとした謝罪の意味で使われる言葉。
心からのお詫びが必要なシチュエーションよりも、わりと軽いニュアンスの謝罪で済む場面において用いられる気がします。
おーいよ
娘:「この前さ、〇〇さんに町でバッタリ会ったのに無視されたみたいな事あったじゃん。〇〇さんにさっき会ってさ。あの時おしっこ漏れそうで挨拶してる余裕なかったんだってさ。」
母:「おーいよ」
【答え】あ、そうなんだ
誰から何か話を聞かせてもらった時などに、相槌的なニュアンスで使う言葉。
僕の経験上では、西蒲区方面で使われる言葉な気がします。新潟市の中心部ではあまり使われてるのを聞いた記憶がないです。
さらには主にある程度ご年配の方が用いる印象です。
自分が使う事は無くても、人がしゃべってるのを聞いて意味だけはわかるものも結構ありますよね。
なして
「おめさん、なしてあんな風にしたんだね?」
これは言葉の雰囲気からわかっちゃいそうですね。
【答え】なんで
「何で」のことを「なして」と言ったりします。これは新潟に限った方言ではなさそうな気もしますが、他県の皆様いかがでしょうか。
のめしこき
「うちの子はのめしこきでダメなんだわ。」
ある程度の年齢の方のみ用いている印象。
最近はそう頻繁に聞かなくなりましたが、新潟市民なら意味くらいは多くの人が知ってるでしょう。
【答え】怠け者、面倒くさがり
怠け者や面倒くさがりのことをこう呼んだりします。
そいが~
「この土地、いつも空き地んがあて」
「そーいがー」
これはおそらく新潟市周辺の言葉ではなく、長岡の方だと思います。
【答え】そうなんだ~
長岡の高野不動産屋のCMでアヒルが「そいがー」と言って会話するシーンが新潟市でも流れてました。
南魚沼市の六日町というところに住んでたことがあるのですが、子供たちもこの言葉を使ってました。
な
「な~のとこの誰が行くんだ?」
【答え】あなた、君
「なー」という言葉を用いる人もおられます。ちょっと感じ悪く聞こえそうですが、普通のニュアンスの言葉です。
これも結構ご年配の方のみで、使う地域も限られると思いますが、僕は親戚の集まりや、何かしらの商店をやってる家の友達の家に遊びに行った時に、たまたま訪問してた取引先のおじさんが使ってたなどで子供の頃から頻繁に耳にしてます。
おおばら
あんたまたこんなおおばらにして、早く片付けなさい。
大きなお腹とか、太っ腹という意味に取ってしまいな言葉ですが
【答え】すごく散らかっている
大きく、バラバラになっている、バラけている、という感じで想像が付きやすい言葉かもしれません。
じょんのび
湯沢方面の方言だという話もありますが、西蒲区にじょんのび館という日帰り温泉があるし、どこ弁なんですかね。
【答え】ゆっくり、ゆったり、のんびり
この「じょんのび」という言葉はいつ頃からか店名やイベント名、キャッチフレーズなどではよく見かけるのですが、実際に人の会話で使われてるのを聞いた事はないんですよね。
~っちゃ
これは新潟市では使われない方言でおまけ的に出しましたが、佐渡弁の語尾らしいです。
「そうだっちゃ」と言えば、「そうだよ」という感じ。
叔父が佐渡出身でよく佐渡に連れてってもらったのですが、大人の方が皆この「~っちゃ」を実際に使ってました。本当に使ってるのを見てられたのが新鮮でした。
昭和時代のものですが、「うる星やつら」というマンガがあります。
新潟出身の漫画家、高橋留美子さんの作品で、登場人物のラムちゃんが「~だっちゃ」というしゃべり方をします。
子供心に「変な話し方だな~」と思ってましたが、後に現実に使われてる言葉で、しかも新潟に関連があったと知って嬉しくなりました。
他にも「~っちゃ」という語尾は仙台とか、北九州とか山口でも使うみたいで、ラムちゃんの語尾には複数の説がありますが、作者が新潟出身だから佐渡弁だろうと僕は信じてます。
高橋留美子さんのマンガの背景には、新潟市内の街並みが登場するらしいです。
どう見ても新潟駅周辺のビル郡だったり、古町の街並みと構図や建物がそっくりだったりするみたいで。
僕も見ましたが、たしかにそっくりだったので間違いなさそうです。ひそかに漫画の中に地元を登場させてたんですね。
著作権の問題があるので当サイトでは貼りません。そもそも僕が見たサイトはなぜ載せられてるのか気になりますが。
おまけなのに一番長く解説しちゃいました。
ということで、ここまで、わりと代表的と思われる新潟弁をご紹介させて頂きました。
ここからは、僕がずっと標準語だと思っていたのに実は新潟弁だったものをご紹介します。
標準語だと思ってたら実は新潟弁だったもの

僕がそう思っていただけかもしれないのですが、てっきり日本全国どこでも通じる標準語だと思って使ってたら違ってて、ちょっとだけ恥ずかしい思いをした方言たちです。
ここからはクイズ形式はやめてどんどん解説していきます。
だっけ:だから、〇〇だから
「~だから」という意味で「~だっけさ~」とか言ったりするのは今でも結構使われてると思うのですが、これ新潟弁だって知ってました?
単なる省略形みたいな言葉だと思ってたのですが、他県では使わないようなんです。
文章によっては「~ったっけ」とかにもなります。
「この前〇〇さんがそう言ってたっけさ~」
〇〇だろっか
これも新潟弁らしいです。
これが使えなかったらなんて言えば良いのかわかりません。
「〇〇だろうか」が正解ですかね。こんな気取った表現、ドラマの中だけじゃないのかな。
「あれ、これ私が自分でやったんだろっか」
そろっと、よろっと:そろそろ
「そろそろ」だと丁寧すぎる気がして、むしろ「そろっと」くらいが身内の会話ではちょうど良いのではないかと思うんですが、これも新潟弁だそうです。
よろっとは方言ぽいですが「そろそろ」と「そろっと」は似ているのでわかりそうな気もしますが、「見つからないようにそーっと歩くこと?」などと聞かれたので、通じないみたいです。
「よろっとけーっか?(そろそろ帰る?)」
〇〇さ~(語尾):〇〇なのね
語尾に「さ~」を付けた表現を新潟民は頻繁に使うと思いますが、これも方言なんですよ。
関東方面に進学したときに、これが一番言われました。「だっけ」とかよりもとにかく「さ~」に対するツッコミが多かったですね。
最初何がおかしいのかわからなかったし、じゃあどう直せば標準語になるのかさっぱりわからず直りませんでした。
標準語だと「〇〇なのね」に当たる言葉だと思います。関西弁で言うと「〇〇やったやんか」だと思います。
「これこれこうだったの」という意味ですね。
「この前新しくできた〇〇ってお店行ってみたんさ~」
〇〇ろ~(語尾)
「〇〇したよね」「〇〇したでしょ」という意味で使われる語尾表現ですね。
これも自分の中でかなり自然な言葉で、全く違和感ありませんでしたが、新潟弁なんですね~。
「だっけこの前おれそう言ったろ~」
かけられる:指名される
これ、新潟弁らしいです。
標準語ではこの言い方しないらしく、「あてられる」と言うそうです。
確かにそれでも意味は理解できますが、「かけられる」の方が自然な感じがしちゃいますし、別にそれでもいいじゃないですか、と言いたいところですが通じないんですよね(汗)
アメがなく:溶ける
アメを温度の高いところに置いといて溶けてしまった時に使います。チョコにも同じように使います。
この辺りは新潟弁だと思ってなかったですね。
普通に標準語だと思ってて、他県の友人との会話中に使ってたら指摘されて「え、これ方言だったの?!」とビックリした記憶があります。
まとめ
代表的なものから、これ新潟弁だった?という意外なものまでご紹介しました。
この記事を書くにあたってネットで新潟弁を少し調べてみましたが、よく出てくるのが「い」と「え」の区別がないという話。
念のために県外の方に申しておくと、そんなことはありません。
少なくとも僕の周りにはいないですね。
まあ、田舎の方に行くとそういうおじいちゃんおばあちゃんが居たかも、くらいです。親戚のうちに遊びに行った時に、近所お年寄りに「い」が「え」に近い方が居たような気がしないでもない。
ただそれも、テレビで見た他県の話だったかもしれないし。という程度のレベルです。いかにもそれが新潟県全体の傾向だという事はまずないです。
小学校の時に先生が、「お年寄りの中にはイロエンピツがエロエンピツになっちゃってる方がいる」なんて言ってたのをいま思い出しました。
これ、よくネットに書かれてるんですよね。でも実際にそう言ってるご年配の方にお会いしたことはないです。
そんな鉛筆あったら記念に一本欲しいです。
新潟にお引越しの予定がある県外在住の方は予習になると思います。
とはいえ、新潟市はそんなに方言多い方ではないはずですし、若い人たちやある程度の年齢でも女性はあまり新潟弁を使ってないように思うので、多分言葉で困ることはまずないと思います。
以上、新潟弁についてでした。
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