あおり運転の罰則が改正されて一発で免許取り消しに

2020-06-27

2020年6月30日から、改正道路交通法が施行されるのをご存知でしょうか。

あおり運転関連の痛ましいニュースが一定期間内に幾つも放送され、お茶の間をにぎわしたのは記憶に新しいです。

その時にしきりに話題にのぼっていたのが、「現在の道路交通法では、あおり運転を明確に処罰する法律が不十分」ということでした。

今までは、あおり運転そのものを規定する法律がなかったんです。

それを受けてのことだと思われますが、道路交通法があおり運転を盛り込んだものに変わるようです。

そうかそうかと、よくよく調べてみたら、中々の厳しい内容でビックリしました。

ということで、改正道交法について備忘録的にまとめておきたいと思います。

新しい改正道路交通法の内容

まずは改正された道路交通法はどんなものなのか。その内容を確認しておきましょう。

概要はこんな感じ。

  • 妨害運転罪を新たに創設
  • あおり運転をすれば即免許取り消し
  • 最長5年の懲役

何があおり運転に該当するの?

  • 通行区分違反(対向車が車線をはみ出す)
  • 急ブレーキ禁止違反
  • 車間距離不保持
  • 進路変更禁止違反(急な進路変更など)
  • 追い越し違反
  • 減光等義務違反(パッシング)
  • 警音器使用制限違反(不要なクラクション)
  • 安全運転義務違反(幅寄せ・蛇行など)
  • 最低速度違反(高速道路で最低速度未満で走る)
  • 高速自動車国道等駐停車違反

10項目って多くて気を付けるのも一苦労だな~と思ったかもしれませんが、9個は当たり前のことなので、普段からまともな運転をしていれば問題なし。

気になるのは車間距離保持。

道の流れが悪く、気づいたら縮めてしまっていたとか、

保っていたのに他車が前に入って来て近くなった、

などがあるかもしれません。

常に車間距離に注意を払うクセを付けたいものです。

「他車を妨害する目的で」となっていますが、どれもやった時点で妨害や迷惑になっているので、通報されたり警察の目に触れるなどすれば言い逃れは難しそう。

厳しく判定されるとの話もテレビで観たので、自分が加害者にならないためには、十分すぎるくらい気を付けていた方が良さそうです。

あおり運転の罰則

あおり運転の罰則について、特に危険な場合と見なされるとより重い罰則が科せられます。

妨害する目的で危険が生じると予測させる行為をした場合

  • 3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
  • 減点:25点
  • 欠格期間:2年

高速道路での著しい危険を生じさせた場合

  • 5年以下の懲役、または100万円以下の罰金
  • 減点:35点
  • 欠格期間:3年

高速道路で停車させるなどが該当。よりひどいケースがこちらということ。

いずれにせよ、免取の累積点数は15点。つまり、

一発免許取り消し

ということです。

以前は車間距離を詰めただけでは、反則金さえ支払えば刑事責任を問われることはなかったのが、問われることになったんです。

この意味はつまり、過度に車間距離を詰めて走っていると、刑事責任を問われるかもしれないという事です。刑事責任なので心からやばいです。人生が詰みます。

「でもこういうのって、よっぽどの場合でしょ」と思うかもしれません。

これについては、テレビに警察の方が出演し話していた内容が印象的でした。

「後ろから車間を詰めて走る、急ブレーキをかけておどかすなどすればもう免許取り消しです」

なんだかんだ大丈夫、みたいな感じでは無さそうですね。

「知らなかった」で済まないのが法律。

施行日以降は、もうその法律が適用されます。

2020/6/30からとなっています。お忘れなく。

とはいえ、もともとの交通ルールが大きく変わった訳ではないので、普段から守って来た方には何の問題もありません。一応、改正された罰則内容を確認し、今後も注意をおこたらずにいましょう。

もし、どこか欠けていた部分があったなら、改めるいい機会かもしれません。

要注意な人

今回の改正で、加害者になる可能性が上がるのが高いと思うのは、普段から車間距離が狭い方です。こういうのはクセになっているので、中々直らない。いつかそれが当たり前になり、問題ないと思い込んでる場合があります。

昨今のあおり運転事件で、法律も世間の目も厳しくなっています。

車間距離を詰めるのがクセになっている方は摘発されやすいと思います。

でも車間距離ってどのくらい保てばいいの?

と思いますよね。次項をご覧ください。

車間距離保持って何メートル開ければいいの?

車間距離は何mまで詰め寄ったらあおり運転に該当するのか知りたいですよね。

どうも、道路交通法では車間距離について明確に何mと決まってはおらず、第26条で以下のような文言で記載されています。

車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

e-Gov 道路交通法

パッと見て近いと思うような車間距離ではダメなのはわかりますが、何mなのか等、基準を示すものが全くありません。

ある程度の具体的な基準が欲しいですよね。

そこで、助けとなるのが、速度による停止距離を数値化した資料です。

ちょうど新潟県警察の資料が、若者の場合と高齢者の場合と記載されており、違いも把握できます。

表にしたものがこちら。

速度(km/h)停止距離(高齢者)停止距離(若者)
103.6m2.7m
208.1m6.4m
3014.0m11.3m
4020.9m17.3m
5029.0m24.5m
6038.0m32.7m
7048.4m42.4m
8059.8m52.7m
9072.4m64.4m
10085.9m77.0m

何キロの速度が出ていたら停止するまでにこれだけの移動距離が必要ですよ、という目安です。

つまり、このくらいの車間距離を取っていれば大丈夫だろうという1つの基準にできそうです。

速度60km/hは速度マイナス15、60km/h以上は速度とイコールという説もあるので、実際はもっと上のグラフや表よりもっと空けるべきでしょう

全国的には、ヘリコプターで上空から車間距離保持に違反している車を見つけ、地上のパトカーに指示を送るという取締り方法も始まっているのだそう。

また、車間距離不保持で事故を起こした場合、過失割合も10:0になるそうです。

車間距離を保持しないことによるデメリットは、めちゃくちゃ大きいということです。

あおり運転をされたときは

  1. 駐車場やパーキングエリアなど、できるだけ人が多い場所に避難
  2. ドアはしっかりロック・窓は閉める
  3. すぐ110番通報

これがあおり運転にあったときにすべき事だそうです。

もし同乗者がいるなら、駐車場やPA・SAに避難しながらも110番通報してもらいましょう。

具体的な逃げ込む場所としては、広い駐車場を備えた場所が入りやすく、人が多くて良さそうです。警察署があれば一番良いですが、そう数がないですからね。

あおり運転が多そうなのが新潟西・新潟・新新バイパスだと思います。もしバイパスを走っている時にあおり運転にあったら、西エリアなら亀貝インター降りてすぐ西警察があります。

東エリアなら、竹尾インターを下りてすぐとまでは行かないものの、少しいけば東警察です。

自分があおり運転の加害者にならないために

人間たるもの、感情が揺らぐ時がないとは限りません。絶対ならないために具体的な対策も持っておきたいものです。

運転中にイラ立ち・怒りを覚えるなどがあったなら、

  • とにかく一旦思いとどまり
  • 一度大きく深呼吸
  • 気持ちを落ち着かせる

とすると良いそうです。この一連の流れは政府広報で紹介されてました。

深呼吸は結構大事な気がします。「ハァ~・・・」と息を吐く単純な動作を行うだけで、力が抜けて、苛立っていた気持ちが少し楽になる気がします。

「自分はそんなことしないから大丈夫」ではなく、誰もが自分が加害者にならないように改めて見直す方が、より道路が安全になる気がします。

加害者の疑いをかけられないために

個人的にはこの部分かなり重要だと思っています。

今回の道路交通法改正について思う、この記事の裏テーマがこれから話すことです。

あおり運転撲滅の世論が高まるなか、中には過剰に神経質になっている人もいることが予想されます。法律が厳しくなると行き過ぎたケースが出てくる可能性も否めません。

そんな中でも、

  • どのように改正されたか
  • 何を気を付ければ良いか

というのはすぐわかることです。

改正道交法が施行されると、些細なことでこちらが疑いをかけられる事も出てくるかもしれません。

その相手が警察なのか、他のドライバーなのかは、その時になってみないとわかりませんが、どちらもあり得ること。

車間距離など詰めていない

危険な車線変更などしていない

と幾らこちらが主張しても、相手ドライバーが「そっちが危険運転をしていたのだろう」と言って来たら。

真実はこちらの言うことが正しかったとしても、どんなに言い返したところで水掛け論。対抗する術としては心細いです。

そこで・・・

ドライブレコーダーがあなたを守る

結局のところ、有効な手段はドライブレコーダーのみだと思います。

こちらの車のドライブレコーダーが身を守ってくれます。

自身が被害者の場合であっても、加害者としてあらぬ疑いをかけられた場合でも、結局のところ、自分を守ってくれる強力なツールは、

ドライブレコーダーをおいて他にはない

ということです。

ちなみにドライブレコーダーについては、近日中に別途記事を作成する予定です。

まとめ

改正道路交通法について解説しました。

妨害運転(あおり運転)に対する罪が創設されたことを覚えておきましょう。

2020年6月30日施行です。

あおり運転に該当するのは以下の10項目。

  • 通行区分違反(対向車が車線をはみ出す)
  • 急ブレーキ禁止違反
  • 車間距離不保持
  • 進路変更禁止違反(急な進路変更など)
  • 追い越し違反
  • 減光等義務違反(パッシング)
  • 警音器使用制限違反(不要なクラクション)
  • 安全運転義務違反(幅寄せ・蛇行など)
  • 最低速度違反(高速道路で最低速度未満で走る)
  • 高速自動車国道等駐停車違反

違反すれば、一発免取。

最長で5年、最大100万円の罰金が科せられるというものでした。

もしも、あおり運転をされる側になったら、

  1. 駐車場やパーキングエリアなど、できるだけ人が多い場所に避難
  2. ドアはしっかりロック
  3. すぐ110番通報

が行うべき流れでした。

加害者にならないように十分注意したうえで、あおり運転をされたときの対処も気を払っておこうと思います。あとは証拠取りのためにドライブレコーダーの設置も大事ですね。

僕はドライブレコーダーは設置しました。あとは車間距離だけは常に十分保つように注意したいと思います。

バイパスでは3車線なら中央、2車線なら左側を走るよう心がけます。

参考資料

政府インターネットテレビ

警察庁

新潟県警察

e-Gov 道路交通法