良寛堂で佐渡の母の故郷を眺め座す良寛さん像がいとをかし。行き方や駐車場などまとめ

三島郡出雲崎町に良寛堂という場所があります。
この辺りは良寛さんの出身地ということもあり、ゆかりのある場所が点在しており、良寛ファンにとってはまさに聖地と言える地域。
良寛堂は良寛さんの生家の跡地に建てられた良寛さんに非常に関連がある場所です。
特別良寛さんのファンということでもないのですが、近くにある、にいがた景勝百選一位の良寛夕日の丘公園という、これまた良寛さんゆかりの場所があると聞いて、そこと一緒についで寄りしたわけです。
きっかけはそんなんですが、来てみたら意外や意外、何とも言えない雰囲気を持つ場所で。
この広い敷地に、
佐渡の方向を向いて座る良寛さんの銅像
お堂
の2つだけがあり、あとは和風の庭のような土地が広がってるだけという、なんとも幽玄で趣深い場所です。もはやパワースポットという雰囲気。
ところで良寛さんて何者?
良寛さんを知らない方のために、ちょっとだけご紹介を。
出雲崎町生まれの禅僧です。詩人・歌人・書家としても知られる人です。
今の若い人たちはもしかしたら知らないかもしれませんが、良寛さん、良寛和尚などと呼ばれ、国語の教科書にも出てきたり、ある程度の年齢の方なら良寛さんと五合庵という名称くらいは誰もが知っているほど有名です。
とにかく人がいい、お人好し、親切過ぎる人で子供好きという印象が強いです。自分のための欲が全くなく、世捨て人など言われてました。
生涯質素な暮らしを貫き、優しくて親切で、みんなに好かれていたのだそう。
ただ、無欲の塊みたいな良寛さんですが、お酒だけは好きだったらしく好んで飲まれたんだそうな。
晩年は、ここから程なくの弥彦の国上山にある五合庵で暮らしていたという話です。
良寛さんの面白い逸話を見つけたので、幾つかご紹介します。中には意外なものもありますよ。
五合庵で盗人に入られる
五合庵がそもそも非常に粗末な家というか建物で何にも物がなく、盗人が盗むものが何もないということで、良寛さんが寝ていた布団を盗もうとしたのだそう。
それに気づいた良寛さんは、寝ているフリをして寝がえりをうち、盗人が布団を取りやすいように体をどかしてあげたのだとか。お人好し通り越してもはや理解不能。
人がいいにも程がありますよね。明日からどうやって寝るんでしょうか。冬は風邪を引いてしまいます。
竹の子を助けて家が燃える
五合庵の横にあったトイレに、床を突き破ってタケノコが生えてきたのだそう。それがどんどん成長し、ついには天井まで伸びてつっかえて窮屈そうだったので、天井に穴をあけてやろうとろうそくの火をあてがったのだそう。
もう先が予測できますが、まんまと便所が焼失してしまったのでそうです。まるでギャグマンガです。念のため述べておきますが、良寛さんは架空ではなく実在の人物で、民衆から好かれていたお坊さんです。
かくれんぼしてたら次の日になった
子供たちと遊んでやるのが大好きだった良寛さん。
その日も子供たちと一緒にかくれんぼをして遊んでました。
良寛さんが鬼になり、目をつぶったまま子供たちが隠れて「もういいよ」というのを待っていました。
ところが時は夕暮れ時。
隠れようとしていた子供の一人が「もう家に帰らないと」とその場を後にし、それに釣られて他の子供たちも皆帰ってしまいました。
翌朝、子供たちが同じところへ来てみると、良寛さんはまだ目をつぶって手で顔を隠して待っていたのだそう。
いやはや、ここまで来ると何て言って良いやらわかりません。
むしろ暗くなったら子供たちが無事か確認しに行くべきだと思うのですが。ずっと目をつぶっていたから暗くなったことに気づかなかったのかもしれません。
この辺はひょっとしたら都市伝説まじりかも。
良寛さんの破天荒さ、もとい、常人離れした人間性の高さとお人好しっぷりが痛いほどわかったところで、良寛堂のご説明に移りたいと思います。
良寛堂はどんなところ?
皆さんの良寛さんに対する心がアツいうちに良寛堂をご紹介します。
特徴
まずは特徴だけ簡単に。
出雲崎の民家が密集する地に突然、公園1つ分くらいの広めの敷地が現れます。
良寛さんの像とお堂が1つあるだけ。
左右対称的なお寺の境内のような場所です。
良寛堂の境内の様子

この場所はもともと良寛さんの生家「橘屋」の跡地なのだそうです。
当時この地域は大きく2つに分けられて、その片方の代表的存在、名主の跡取りだった良寛さん。
そのままいればお金持ちだったはずなのに、その地位をあえて捨て家を出て、生涯清貧な暮らしをしたという、欲のない人なんです。
今でも十分広いこの敷地、普通の戸建て住宅10軒分くらいありますが、当時はなんと今の2倍の広さがあったのだそうですよ。
海と反対側から見た良寛堂の様子。

かなり広いですよね。現代の家6~8個分くらいの広さがあります。もっとかな。
今でも一軒の家の敷地としては十分すぎるほど広いですが、その倍の敷地があったとは橘屋は凄いですね。しかし、その半分がどうなったのかがとても気になるところです。

堂内には良寛さんが常に持ち歩いたと言われる、石地蔵をはめ込んだ多宝塔があり、
「いにしへにかはらぬものはありそみとむかひにみゆるさどのしまなり」
という良寛さん自筆の歌が刻まれているそうです。歌はどこで区切れば良いのかわかりませんが、なんとなく情緒がある場所です。
当てずっぽうですが、「古くから、変わらない物なんてないけれど、向かいに見える佐渡島は変わらないなあ」と母を懐かしんだ歌なのかなと思いました。合ってるかはわかりません(汗)。
良寛さんの像です。

ちょっと目が怖いんですが、何故もう少し美男子に作らなかったのか不思議です。
良寛さんの人柄が誤解されそう(汗)。
良寛さんの母の故郷は佐渡の相川だそうで、銅像は佐渡の方を向いています。母を思う良寛さんの姿を像にしたのでしょうか。

後ろからゆっくり近づいていくと、急に振り返りそうな怖さがあります。最初に正面から見てしまったせいかもしれません。ちょっと夜に1人で行くのは怖いです。
トイレ

良寛堂の真ん前にトイレもあります。冬季は雪囲いされるとの事なので、利用できなくなるのかもしれません。
詳細情報
- 駐車場:あり。10台ほど。無料
- 住所:三島郡出雲崎町大字石井町60-乙
- TEL:0258-78-2291(出雲崎町産業観光課 商工観光係)
アクセス
良寛堂の場所や駐車場などについて。
場所
北陸自動車道の西山ICから車で15分の距離です。
看板や標識が出ているので発見しやすいです。

出雲崎町は長岡市と柏崎市の間ですがどちらにも属さない、三島郡という場所で、三島郡の中には出雲崎町だけしかありません。
駐車場

すぐそばに10台ほど停められる駐車場あり。
この駐車場の先にトイレがあり、そのすぐそばが良寛堂です。
最寄駅・バス停留所

JR越後線の出雲崎駅から、バス出雲崎車庫行きに約8分乗り、良寛堂前で下車し、徒歩2分ほど。
上の画像のバス停の真ん前に良寛堂があります。「長岡駅前・出雲崎駅前・大寺・方面ゆき」となっているので、帰りのバス停のようですね。
来る時のバス停が見当たらなかったのですが、徒歩2分なので近くにあるのでしょう。
個人的な感想
新潟県三島郡出雲崎町にある良寛堂をご紹介しました。
本当にお堂と良寛さんの銅像だけの場所です。
晴れた日の真昼間に行ったにもかかわらず、なんとも言えない幽玄な雰囲気がありました。私は幽霊とかはあまり信じない方ですが、それでも夜に1人で行ったら敷地内に踏み込む勇気が出ないかも。
丑三つ時に良寛堂に行って、良寛堂を出たのに振り返ったら良寛さんの像が真後ろにいるとかね・・・想像しただけで身の毛がよだつ!
ついでに寄りたいオススメのお店やスポット
この辺には良寛さんゆかりのスポットや、夕凪の橋など出雲崎の観光スポットが多数あり、デートにも観光にもおすすめです。近くに集まってるので、ぜひまとめて訪問して行かれる事をおすすめします。
車で5分くらいのところに、にいがた景勝百選一位に選ばれている良寛夕日の丘公園というところがあるのですが、確かに美しい眺めです。良寛堂とぜひセットで♪ もし良寛さんファンならマストとも言える2スポットです。
越後出雲崎天領の里はお食事にお土産に、良寛牛乳や天領あんぱんなどもある道の駅で休憩にピッタリです。海のほうに伸びた夕凪の橋はカップルおすすめのスポット。
物産館で売ってる愛の鍵を柵に結び付けると結ばれると言われてます。こういうイベント好きです♪
海を見ながらアジアンテイストのオシャレなランチができるカフェがあります。冬はちょっと寒いので温かい服装がおすすめ。
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